環境技術
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37 巻, 4 号
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研究論文
  • 切削加工における水のみを使用した環境調和型加工法
    西川 尚宏, 塚本 真也, 大橋 一仁, 三宅 隆介, 井山 俊郎, 水野 雅裕
    2008 年 37 巻 4 号 p. 274-281
    発行日: 2008/04/20
    公開日: 2009/05/01
    ジャーナル フリー
    機械加工現場において,切削油や水溶性切削油剤といった加工液は作業者に健康被害を及ぼす懸念があり,廃棄の際に莫大な廃液処理コストと環境負荷を生じている.本研究では加工液に無害な水のみを使用し,防錆剤を用いず工作物に致命的な錆を微小電流で防ぐ電気防錆加工法を生産現場で多用される切削加工に応用し,実験的にその効果を検討した.適切な電極組み合わせと定電流制御により安定した電流供給を実現し,最長3時間の防錆を達成した.また,有効防錆領域を解明し1時間の防錆電力は0.0122Wと省電力で使用上十分な防錆効果があり,その際,危惧される工作物の水素脆性を検証し実用上安全であることが示された.さらに,工作物を水中に浸漬して切削する本加工法と従来加工法との切削性能を比較し,軽切削において切削油には劣るが水溶性切削油剤より表面粗さが改善する結果を得た.本加工法は新しい環境調和型加工法として期待性があるといえる.
研究ノート
  • 海見 悦子, 川北 護一, 向谷 司, 藤原 和弘, 岡田 真一, 安田 善雄
    2008 年 37 巻 4 号 p. 282-287
    発行日: 2008/04/20
    公開日: 2009/05/01
    ジャーナル フリー
     土壌汚染が社会的に問題となっている中,コストと環境負荷が小さいファイトレメディエーションへの関心が高まっている.しかし,ファイトレメディエーションによる汚染物質の分解メカニズムには解明されていない部分が残されている.本研究では,長期間にわたって自然に原油が存在している油徴地帯から採取した土壌中の微生物群集に対してイタリアンライグラスが与える影響を評価した.原油資化微生物数,微生物活性及びPCR-DGGE法による微生物相解析を行うとともに,原油の含有量を経時的に評価した.この結果,イタリアンライグラス栽培土壌では,微生物相の改変が生じ,土壌微生物の活性が向上するとともに,原油資化性菌数が増加することが示された.また,このような微生物相の変化と対応して,栽培区の原油濃度が非栽培区に比べて有意に低下した.以上の結果から,植物の栽培によって生じた選択的な微生物相の改変が,土壌の原油濃度の低下に関与する可能性を示した.
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