日本の都市における二酸化窒素の濃度が1985年から1989年までの間に増加したかどうかを, 統計学的に検討した.t-検定により, 168市における二酸化窒素濃度の両年間の年平均値の差が有意であるかどうかを判定した.二酸化窒素濃度は5年の問に67市において増加が認められ, 101市において増加が認められなかった.二酸化窒素による汚染は, 大規模都市では著しく進行し, 中規模都市および小規模都市にも拡大した.工業地域および高速道路沿いに位置する都市において, 二酸化窒素濃度は特に高くなった.
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