2, 3, 4, 4'-tetrahydroxybenzophenone (THBP) は半導体製造に用いられるフォトレジストの原料である.THBP製造工程廃液の主な汚濁物質はTHBPで他に少量の原料および副生成物を含み, これらの汚濁物質は芳香族系の有機化合物であるため極めて難生分解性であるのが特徴である.
本研究ではTHBP廃液の基本プロセスの確立を試みた.廃液に海水を添加しフェライトを陽極とする電解により活性塩素を発生させて汚濁物質を有機酸等の生分解性物質へ変換・改質したのち, 浸漬ろ床法により生物学的に除去した.電解によりBODが約1桁増加し, 生分解性への改質が確認できた.TOC削減の削減率は電解法では低く, 生物法による寄与が極めて大きかった.全工程によるCOD, TOC, BODの削減率 (BODのみ電解改質液を基準) は, それぞれ80, 85, 99%であった.
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