札幌市内の6河川の底泥を供試し, 河川底泥によるHg除去について底泥腐植に注目し検討した.
1) 底泥のHg除去量は水質汚濁度の高い河川の底泥ほど大きく, 底泥の腐植含有率とは必ずしも一致しなかった.
2) 底泥の脱腐植処理によりHg除去量は低下した.とくにH
2O
2分解および600℃加熱処理により100ppm Hg区では, 無処理に対して20%以下の除去率であった.
3) Hg固定底泥から抽出した腐植液のG15ゲルクロマトグラム結果ではHgと色度の溶出推移が一致しNo.12画分で最大ピークを示した.
以上の結果から, 河川底泥腐植はHg除去能およびHgの錯化能と密接な関係をもつと考えられる.
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