化学処理した茶葉を吸着剤として使用し, 水中の金属イオンの捕集能について検討した結果, 以下の結果を得た.
(1) 70から100メッシュに粉砕した茶葉をホルマリンとリン酸 (0.1M) を用いて80℃で処理すると, 吸着剤が調製できる.この吸着剤は未処理の茶葉に比べて約4倍の金属イオン捕集能力を示す.
(2) 煎茶, 紅茶, ウーロン茶について検討した結果, 茶葉の種類による差はあまり見られず, 煮出したあとの茶葉でも本吸着剤の原料となることが分かった.
(3) 試料溶液のpHを5に調整し, 0.1gの吸着剤を用いると100μgまでの希土類金属イオン, ニッケルイオンおよびクロム (III) イオンが90%以上捕集可能である.
(4) 本吸着剤単位量あたりの最大捕集量はニッケルで7.97mg, ネオジムでは5.91mgであった.
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