1996年4月から1997年9月にわたって, 大阪市内のアオコが発生する公園池において水質調査を行った.さらに池水を用いた酸素消費実験を行うことにより, 公園池におけるアオコの発生要因とその影響について考察した.
調査した全ての公園池でアオコが観察されたが, 1996年と1997年では春から夏にかけて降水パターンが異なっていたため, アオコの発生時期にズレが生じていた.また, 全ての池は富栄養の状態にあったが, リン制限によりアオコが発生していたことが示唆された.
水質がアオコの繁茂に大きく影響を受けていた池では, 表層水は昼間のDOが極端な過飽和でも, 夜間は池全体が嫌気的になり, 夜明け前の表層水はほとんど無酸素状態であった.
このような池では, 夜間の水温が20℃を超えれば藻類の呼吸によりDOに対する影響が出始め, 24℃を超えれば夜の間にDOが著しく減少し, 酸欠による魚類の斃死等が起こり得ると考えられた.
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