オカラを
Bacillus属細菌HR6株を用いて処理し, その分解物の安全性および再利用の可能性について検討した.まず, ヒメダカおよびマウスを用いて本菌自身ならびにオカラ処理品の急性毒性について, それぞれ試験した.即ち, 菌体浮遊液834ml (4.8×10
9cfu/ml) をヒメダカ10匹を含む水溶液4lに添加し48時間経過観察したが, ヒメダカの死亡は確認されなかった.一方, マウスの体重10gあたり50mg経口投与し14日間飼育しオカラ処理品の毒性について検討した.その結果, この間の体重増は, 対照群と比較し, 有意な差異は認められなかった.しかも, 主要臓器を剖検したが, 特に異常は認められなかった.そこで, オカラ処理品の再利用を具体的に検討するため, 小松菜の生育に与える影響を調べた.小松菜の生育は, 市販されている肥料と比べ, 一鉢あたりに含まれる窒素量が100から400mgの範囲で, 抑制された.しかし, 腐葉土のみと比較した場合, オカラ処理品12gを腐葉土に添加した時, 小松菜の生育が最も促進された.以上の結果は,
Bacillus属細菌HR6株を含むオカラ処理品が生物に対して安全であり, かつ土壌改良剤として有用であることを示唆している.
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