近年, 集中豪雨によりマンホール蓋が浮上・飛散する現象が顕在化しており, 安全性の問題が指摘されている.本研究では, 空気噴出を考慮した雨水管路の設計手法の確立に向けた基礎研究として, 同一形状の縮尺の異なる3タイプの模型実験結果から圧力流管路の空気を含む水理挙動を分析し, 相似則について検討を行い以下の知見を得た.
(1) 混入空気実験より, 混入率α (混入空気量/通水流量) は, h/H (人孔内水位/人孔深) の一次回帰式にて表現できる.
(2) 混入率には縮尺効果が生じることを明らかにし, 突入流式人孔での混入率αの推定式を導いた.
(3) 階段式人孔での混入率αは, 人孔内水位が低い場合は突入流式の1/2程度生じるが, 人孔内水位が上昇するといずれのケースでも5%程度となる.
(4) 空気排気実験より, 流量によっては上下流人孔における排気率β (最大風量/通水流量) が同程度の場合があるため, 下流人孔と同規模な対策が上流人孔にも必要である.
(5) 排気率βにおいても縮尺効果が生じることを明らかにし, 下流人孔での排気率βの推定式を導いた.
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