環境技術
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36 巻, 1 号
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研究論文
  • 黒田 正和, 張 欣, 山上 利一
    2007 年 36 巻 1 号 p. 64-71
    発行日: 2007/01/20
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    赤錆 (ヘマタイト) のマグネタイト (黒錆) への変換における磁気の効果について, 流通系で実験的に検討した. また, ヘマタイトのマグネタイトへの変換過程を15日毎にX線回折法により分析し, 変換機構を検討した. 試料は錆鉄板, ヘマタイト及びマグネタイト試薬 (粉末) などを使用した. 磁気強度は約300mT, 使用した水はイオン交換蒸留水, 流速は2m/sとした. 液の温度は21℃→39℃, DOは7.5mg/l→5.2mg/l, pHは5.4→8.5と時間の経過につれ変化した. 錆鉄板に付着した赤錆は, 30~45日後に水和酸化鉄と黒錆の混合物に変化し, およそ90日後に完全に黒錆になった. 一方, ヘマタイト試薬 (粉末) スラリー, マグネタイト試薬 (粉末) スラリーでは, ヘマタイト及びマグネタイトの変化は全くなかった. 赤錆から黒錆へ至る反応には, Fe2++8FeOOH+2e-→3Fe3O4+4H2O, Fe2O3+6H++2e-→2Fe2++3H2O, Fe+2Fe3+→3Fe2+などの反応が関与すると考えられ, ローレンツ効果により生じる電流は, これらの反応の電子供給源となり, ヘマタイトのマグネタイトへの変換を促進すると考えられた.
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