近年の河川整備においては,治水や利水のみならず環境や利用に目を向けた水辺整備の取り組みがなされている.本研究は,環境や利用に目を向けた水辺整備の一環として,第一筆者がこれまで計画に携わってきた水陸移行帯創出などの水制整備を事例として,計画段階から事業実施,その後の経年変化のプロセスを経て得た知見や水辺利用者等へのヒアリング調査結果をもとに,環境面,利用面,治水面の観点から水辺空間の形成における水制の機能について評価を行い,水制機能の活用に向けた計画段階における構造形式・規模・構成材料選定の観点での留意点,維持管理における課題と留意点について,具体的な方策の提案を行うものである.