第二京阪道路門真地区の地盤は沖積層が厚く,表層部は極めて軟弱となっている.第二京阪道路の建設工事に当たって,学識経験者,事業者,施工業者から構成される振動影響検討会を設置して,振動レベルの管理目標値を設定するとともに,振動影響の少ない施工方法の検討など各種の振動対策を実施している.
本報告は,軟弱地盤地域の建設工事振動等の対策への取組状況とその効果について,体系的にとりまとめたものであり,振動の大きい建設工事の振動レベルや連続地中壁による振動対策効果についても検討した.また,苦情防止に効果的な振動対策に関する評価については,振動源対策を十分に行った結果として,住民とのコミュニケーションが非常に効果の大きいことが判明した.建設工事振動対策に関する情報共有化の手段として,振動環境情報図の作成及び工事振動データベースの構築を行ったが,アナログ,デジタル情報を使い分けて有効に活用することが重要と考える.
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