淀川における水質変動特性を把握するため, 湛水区間の豊里大橋地点で, 1990年5月~12月の間に, 20項目の水質の経日測定を行い, 流量との関係を指数関数モデルを用いて検討した.
アンモニア性窒素およびBODを除く他の項目の濃度は流量を独立変数とする式C=a・Q
b, (C: 濃度 (mg/
l) , Q: 流量 (m
3/sec) , a, b: 定数) で説明出来た.
無機性溶存物質 (Cl
-, Na, SO
42-, Ca) と溶存性TOC (DOC) の濃度は, 全ての流量の範囲で, 流量の増加に従って減少する関係を示した.
懸濁性物質 (SS, Al, Fe, Mn) は流量の増加に伴って濃度も増加する関係を示した.これは, 降雨による流域からの流出や, 流量の変化による河床の乱れによるものと考えた.しかし, 平水流量 (200m
3/sec) 以下ではこの傾向は認められなかった.
マグネシウムとカリウムの濃度は平水時には, 流量の増加に従って減少するが, 豊水流量 (350m
3/sec) 以上では, 濃度が増加し, 流域の土壌や農地からの流出 (洗い出し) が起こっていることが判った.
有機性汚濁物質 (TOC, COD) の濃度は低流量時には, 流量の増加に従って減少するが, 高流量時には増加し, 流出 (洗い出し) が起こっていることが判った.
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