環境技術
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42 巻, 6 号
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研究論文
  • 倉橋 健介, 木村 知恵, 柏木 麻衣, 野村 俊之, 若松 孝彦, 小手川 勉, 永吉 勝明, 坂東 博, 徳本 勇人
    2013 年 42 巻 6 号 p. 355-361
    発行日: 2013/06/20
    公開日: 2013/06/25
    ジャーナル フリー
    再生可能エネルギーであるバイオディーゼル燃料は高アルカリ性の廃グリセリンを副生し,その処理が問題となっている.食品厨芥をメタン発酵により分解する際,この廃グリセリンを投入し,両者の同時バイオガス化を試みた.発酵プラントにはおからを投入してスタートアップを行った.まずこのプラントにおからとともに食品厨芥を投入したところ,バイオガス発生率が2.4 ㎥/㎏-C から1.3 ㎥/㎏-C に低下し,食品厨芥による発酵阻害が発生した.次におから,食品厨芥,廃グリセリンを同時に投入したところ,バイオガス発生率は2.0 ㎥/㎏-C まで回復した.以上より廃グリセリンを食品厨芥とともに投入することで,高アルカリ性の廃グリセリンを処理できるだけではなく食品厨芥による発酵阻害を解消する効果があるとわかった.プラントから発生したバイオガスを自動車燃料としたところ,1年で0.45tのCO2削減効果があり低炭素化に寄与することがわかった.
  • 山﨑 博人, 吉屋 愛恵, 根來 宗孝, 福永 公寿
    2013 年 42 巻 6 号 p. 362-369
    発行日: 2013/06/20
    公開日: 2013/06/25
    ジャーナル フリー
    3,000~5,300 ㎎/LのNH4-N含有排水を高速で,選択的にNO2に酸化できる含水ゲルに固定化した 亜硝酸菌群による亜硝酸化反応の最適条件の探索,およびそれら亜硝酸菌種の同定を行った.4L の気泡塔中にモデル排水量の10 wt%の固定化亜硝酸菌群を投入して回分式で反応させた.pH 7.0から8まではpH 値の上昇に伴いNO2生成量が増加し,pH 8.0では5,300 ㎎/L のNH4-N を5,058 ㎎/L のNO2-N に完全変換した.また,遺伝子解析および顕微鏡観察の結果から共存する硝酸還元菌,Methylobacterium extorquens DM4,の作用でNO3の生成を抑制する本亜硝酸化反応が進行していることが示唆された.本研究は,コンパクトで安価な消滅型の窒素除去排水処理システムの構築につながるものと期待される.
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