ノニオン界面活性剤ドデシルエーテルポリオキシエチレン付加物が糸状性細菌を溶菌することを利用して実際に糸状性バルキングの解消ができることを証明した.出現頻度が高いとされている糸状性細菌によって糸状性バルキングが発生している排水処理場を4カ所選択して糸状性バルキング汚泥を入手した.回分試験によって糸状性細菌を溶菌する界面活性剤濃度を決定した.次に模擬装置による室内連続試験で, 必要量の界面活性剤を添加することにより, 糸状性バルキングが解消することを確認した.これらの結果をもとに, 実装置において界面活性剤を適用して糸状性細菌を溶菌した.その結果, 活性汚泥に存在する糸状性細菌は大幅に減少して活性汚泥の沈降性は改善され, 沈殿槽でのキャリーオーバーは防止された.界面活性剤は糸状性バルキング解消に有効であることを確認した.
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