飲食店排水への油水分離装置導入前後の物質・エネルギーフロー解析を行った.その結果,油水分離装置導入によって,一食あたりにシステム境界内へ投入された食材と油分以外の物質量が削減された.また,販売食数にかかわらず,店舗において節水する場合は,食器洗浄で使用する上水使用量を減らすことが効果的であることが明らかとなった.さらに,油水分離装置導入前後において,調理・食器洗浄における物質・エネルギーの消費に伴うCO2排出量は39.5%削減された.グレイウォーターフットプリント解析により,油水分離装置導入によって,n-Hex 抽出物質による環境影響は88.8%削減されるとともに,除去率54.5%以上の油水分離装置を導入することで,販売食数の増加に伴い,排水量が増加しても水環境の負荷低減が可能なことが明らかとなった.
液体クロマトグラフィー/タンデム型質量分析法(LC/MS/MS)による水道水中のテフリルトリオン分析法の検討を行った.検討の結果,テフリルトリオンの検量線は0.2~0.02μg/L の濃度範囲で良好な直線性が得られた.また,0.02μg/L テフリルトリオン標準液の併行精度は1.2%であった.さらに,水道水の添加回収試験(n=5,5日間)を実施し,妥当性を評価した結果,併行精度1.8%,室内精度3.5%,真度104%ともに良好な結果が得られた.