本研究では,稲ワラによる生分解可能なバイオボードの作製可能性と乾燥温度によるバイオボードの強度への影響を調べるために,作製プロセスとして細断,浸漬,リファイニング,成形,乾燥を考案し,バイオボードを作製した。また,作製したバイオボードに対し引張試験と曲げ試験を用いてその強度を求めた.その結果,本研究で考案した作製プロセスを用いて一定の強度を持つバイオボードを作製することができた.強度試験の結果より,いずれの性能試験においても乾燥温度が高いほどバイオボードが強くなった.乾燥温度190℃のときに曲げ破断応力が最大となり,その値は18.50 MPa であって,引張試験においては,最大引張破断応力は12.46 MPa であった.本研究で考案した方法で作製したバイオボードは,農業資材,包装材料として利用することが可能であり、作製プロセスにおいては接着剤や他の化学合成剤を使用せず,利用後廃棄しても環境に何ら負荷がかからない再生可能な材料である.