自己相関および相互相関の2手法を南湖内の水質指標の時系列データに適用し, その経時変化特性の解析を試みた.自己相関の解析では, 水質の周期性およびランダム性を検討した.水温, pH, クロロフィルa, P-COD, S-CODおよびNO
-3-Nは周期成分の影響が強く, SS, NH
+4-N, PO
3-4-Pはランダム成分の影響が大きい.ランダム成分が強い項目では自己相関係数は遅れ時間の増大で急速に減少し, 遅れ時間が1ケ月以上で0.5以下の値となる.クロロフィルaと他の水質指標との間で相互相関係数を求め, 藻類増殖が水質に及ぼす影響を考察した.この解析によって, SS, P-COD, Org-Nなどの項目は, クロロフィルaの変化に付随して変動するが, pH, S-CODおよびNO
-3-Nは一定の遅れを伴なってクロロフィルaの変化に対応していることを明らかにした.
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