鉄道や道路交通によって発生される地盤振動が, 近傍の住民に少なからず影響を与えて環境問題となっているが, 現状ではこれらの地盤振動に対して有効的で実用的な対策方法が確立されていないようである.本研究は, 鉄道による地盤振動対策に関して, 軌道下に防振マットとして発泡スチロール (EPS) を使用した対策方法の実用化を図るために, 前段階としてバス車庫地の道路下に発泡スチロールブロックを実施工して, 防振材料としての適用性について現場実験を行って検討したものである.
本実験の結果より, 以下の知見が得られた.
・EPSによる地盤振動の低減量は, 地表面上では3.5~9.5dB, EPSの上下端では, 6.7~9.6dB程度期待される.特に20~40Hzの周波数領域での低減効果が大きい.
・波動透過理論による振動低減量の計算値は, 8~80Hzの周波数領域で実測値と±1dBの差で良く一致しており, この理論によるEPSの振動低減量の推定が可能であると考えられる.
既に, 実軌道下に防振材としてEPSを敷設した現場実験も終了しているが, これらの結果については別の機会に報告する予定である.
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