(目的) 都市の生活環境の実態把握と評価の一方法として, アンケート調査が注目され, 各都市で試行錯誤的に試みられている.しかし従来, 解析方法の研究や, 意識反応に影響する本質的, 普遍的要因や反応構造に関する研究は, ほとんど行われていなかった.そのため, アンケート調査は, 十分な評価をえられていない段階である.本研究では, そこで意識反応の要因に関する研究の一つとして.反応の時間遅れを取りあげ, 「空気のきれいさ」の意識について, その性質を考察した.
(成果) 意識反応の時間遅れとして影響する因子は, 環境変化による本質的な時間遅れのほかに, みかけの遅れとして, 2つの因子があることを指摘した.そして, 影響比率の密度函数にロジスチック曲線を導入し, 濃度―意識曲線の性質を明らかにし, 意識反応の評価で, 時間遅れが無視しえない影響要因であることを示した.また, 西宮市での実測資料について確認した.
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