アンモニアによる低温還元脱硝に対する触媒開発と操作条件の確立の資とするために, 本研究ではCu (II) イオン交換Y型ゼオライト (Cu (II) -NaY) 触媒をとりあげ, 脱硝反応におけるNH
3吸着種とその作用の解明及び硝酸アンモニウム (NH
4NO
3) の生成とその見かけの触媒活性への影響等に関する検討を行なった.NH
3の吸着種については, 定速昇温脱着法 (TPD) と定速昇温反応法 (TPR) により検討し, Cu
2+交換触媒上のNH
3吸着種の特性が他の金属イオン交換物と異なること, また, 赤外吸収スペクトル法 (IR) により触媒表面上のNH
4+が脱硝反応に関与していることなどを明らかにした.他方, NH
4NO
3の生成に関しては, IRによって同定し, 低温脱硝の場合, NOxの組成 (とくにNO
2成分の多い場合) によって, また触媒使用時間の長い場合には生成NH
4NO
3が活性低下をもたらすが, NO成分がほとんどであるようなガス系に対しては, 脱硝温度を200℃付近にすればNH
4NO
3の生成は抑制され, NH
4NO
3による触媒劣化は避けられるということなどを明らかにした.
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