我々は,紫外線照射によるアレルゲンタンパク質の不活化効果を高めるため,紫外線の波長がアレルゲ ンの不活化効果に与える影響を調べた.実験は,複数の紫外線光源とバンドバスフィルターを組み合わせた8種類の紫外線を用いた.その効果の大きさは,精製スギ花粉抗原Cry j 1溶液に各紫外線を照射し,抗原抗体反応が起きるアレルゲンの濃度の変化によって評価した.この結果,波長が240nm から220nm の間では,波長が短い紫外線ほど不活化の効果が大きくなることが分かった.この要因は,波長に対する効果の変化が一般的なたんぱく質の吸光係数と類似していることから,アレルゲンタンパク質の紫外線の吸収量が波長になるほど増加するためだと考えられる.
本研究は閉鎖性水域における底質の浄化手法として堆積物微生物燃料電池(SMFCs)に着目した.本研究の目的は2つである.1つ目はSMFCsによる有機物分解促進と嫌気環境改善効果を検討し,底質中の微生物による浄化メカニズムを把握することである.2つ目は,その浄化範囲の拡大のために,マグネタイトの適用を検討することである.実験結果から,得られた電流密度が微生物由来であることを確認し,その割合は50日間の電流密度の積算量の95%であった.またSMFCsを90日間設置して通電と非通電を比較した結果,通電時は酸素消費速度が約24%減少した.さらに,非通電時と比べ通電時のORP(Oxidation Reduction Potential)は極めて高い値を示したことから,SMFCsの設置により,底質中の嫌気環境が大幅に改善できることが明らかとなった.そして適切な量のマグネタイトを添加することにより,浄化範囲が拡大される可能性が示唆された.