非イオン界面活性剤ノニルフェノールポリエトキシレート (NPnEOs) の代謝産物ノニルフェノール (NP) , ノニルフェノールモノエトキシレート (NP1EO) , ノニルフェノールジエトキシレート (NP2EO) , ノニルフェノールトリエトキシレート (NP3EO) , ノニルフェノキシ酢酸 (NP1EC) , ノニルフェノキシエトキシ酢酸 (NP2EC) , そして臭素化ノニルフェノールモノエトキシレート (BrNP1EO) (これらを全て併せてNPE-cと称す) の内分泌攪乱性を酵母Two-hybrid法により評価した.試験したNPE-cのうち, 有意なエストロゲン様活性が認められたのはNPのみであり, 17βエストラジオール (E2) 相対活性にして2.1×10
-4相当の活性を示した.肝代謝を模したS9mix処理により, E2およびNPのエストロゲン様活性はそれぞれ元の300分の1 (E2) および17.5分の1 (NP) に低下することが確認されたが, 一方, 処理を行わない場合には活性が認められなかったNP1EOについてもE2相対活性にして6.5×10
-6相当のエストロゲン様活性が認められるようになった.NPE-cの肝代謝においては, よりエストロゲン様活性の高い物質を生成する可能性のあることが示唆された.NPE-cについてエストロゲン様活性に加え, プロゲストロゲン様活性, アンドロゲン様活性および甲状腺ホルモン様活性を測定したが, いずれも有意な活性は認められなかった.
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