大阪北港処分地南地区の浚渫土砂処分場において, 水質, 生物調査を行い, 水質変動特性と植物プランクトンのN: P比について解析, 考察した.処分場は富栄養化し, 常時, 赤潮状態で, 植物プランクトンの増殖期にはPO
4-Pが低く, Org-Pが高くなっていた.p-CODの増減は植物プランクトンに由来し, 動物プランクトンの捕食が多い夏季に低く, 捕食が少なく, 植物プランクトン増殖期の春, 秋季に高い傾向にあり, COD悪化の原因は内部生産にあった.夏季にT-PとPO
4-Pは増加し, 水温の上昇と貧酸素による溶出が要因であった.冬季にT-NとNH
4-Nは増加し, 浮泥層までの水深が2.4m以浅の時に浮泥の撹乱, 巻き上げによる溶出及び秋季から冬季に投入量が増加する浚渫土砂からの撹拌溶出が要因であった.植物プランクトンのN: P比は約8で, 環境水のN: P比 (DIN/DIP) と有意な相関がなく, 藻類別 (珪藻, 鞭毛藻, 緑藻) のN: P比も有意差がなかった.
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