生活排水処理による汚泥の発生量は近年, 著しく増加している.これらの汚泥の処理方法としては, 窒素, リン, 有機物質等の再資源化の観点より緑農地還元が行われてきていが, 依然としてコンポスト化設備の導入において消極的な施設の多いのが現状である.これは, コンポストの需給バランスの維持・継続が大きな障害となっており, 地域ごとの特性に合わせた細かい事前調査が重要であるものと考えられる.今回, 大阪府内で下水道とし尿処理施設をもつ近郊型の都市を例に, 地域内における排水系汚泥の発生量を求め, それらを原料として産生されるコンポスト量の算定を行った.また, 土地の用途区分別に窒素, 亜鉛濃度をもとに潜在的なコンポスト需要量を推定し, コンポストの需給バランスを予測し, 地域内循環を基本としてコンポスト化施設のスムーズな運営を図るための検討を行った.
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