アントラキノン系染料から異なるアミノ置換基を有する3種類の染料を選び, 分光学的特性と共に, NO
2ガスによる変退色特性を明らかにした.各染料を四塩化炭素を溶媒として溶解して試料溶液を調製し, ミゼットインピンジャーを用いてNO
2ガスに暴露した.適当な時間間隔ごとに, その紫外一可視吸収スペクトルを測定した.NO
2暴露による影響は, 以下の順に速度論的に迅速な変退色が生じることが明らかとなった.
1, 4-ジアミノアントラキノン>2-アミノアントラキノン>1-メチルアミノアントラキノン
分子構造の観点からは, アミノ基が二つある1, 4-ジアミノアントラキノンの反応性が最も高いことは理解しうるが, 残りの二種類については, アミノ基の塩基度から予想される反応性と変退色性とは逆転する結果となった.
抄録全体を表示