室内規模の完全混合型半連続式反応槽を用いて, 搾乳牛ふん尿と生ごみの中温 (35℃) 混合メタン発酵実験を行った.牛ふん尿生ごみおよびそれらの混合 (牛ふん尿9: 生ごみ1) の3系列について, メタン発酵槽の水理学的滞留時間 (HRT) を30日, 投入TS濃度を約3%に維持して実験を行ったところ, 3系列ともに安定運転が可能で, バイオガス生成量はそれぞれ027, 0.73および0.45m3/kg-VSであった.しかし, HRT15日では生ごみ系において揮発性脂肪酸 (VFA) 濃度が上昇し, 反応槽内が酸敗傾向となった.そこで混合発酵における牛ふん尿の割合を増やしたところ, 牛ふん尿の微量栄養塩 (鉄ニッケル) の効果により酸敗傾向から回復することができた.また投入VS当たりのバイオガス生成量について, 混合発酵による相乗効果を確認できた.
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