SESSION2は, “各国の全般的施策”と題されているとうり, 下・廃水処理に係わる計測, 制御, 自動化などに関する各国の技術動向を代表する報告を意図したものである.実際の報告は必ずしもその意図に沿ったものではないが, 各国がおかれている状況は, これらの報告のなかに反映されている.
SESSION2では, 西ドイツ, スウェーデン, 米国, 日本, 英国から計7人の報告者が8編の論文を発表した.特に, センサに関する議論は多くの報告のなかでとりあげられ, 質疑応答の場でもセンサが話題になることが多かった.なかでも, 米国EPAのSchunk等は, センサの検定組織の設立を提案している点が注目される.
日本の新井等の報告は, 大規模処理場の計測制御システムの紹介であり, 一方, 英国Whiteは中小規模処理場の計測制御システムをとりあげている.米国カルフォルニア州の計算機システムに関する経験を紹介したGarberの報告と合わせ, 使用者と製造者の意志疎通やスタッフと操作員の教育などの重要性の認識は共通しながらも, 実際の状況には相違があるよう印象づけられた.
以下, 各報告の概要を紹介するが, 西ドイッの報告「ベルリン水道会議」は, 1981年4月にベルリンで開催された会議 (IWSA主催) でのヨーロッパ各国の論文概要報告であるため割愛する.また, 米国ロスァンゼルス市のGarberの報告は, 主としてスライドによる発表であったため, これも省略する.
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