NH
3による低温還元脱硝に対する高活性触媒の開発の資とするために, 本研究では, NH
4VO
3の分解によって得られる, V
2O
x (x=3~5等) の酸化バナジウム系化合物について, 入口NOxの組成の異なる場合 (NO主成分系, NO-NO
2共存系, NO
2主成分系) の脱硝活性の測定とIRスペクトルによる構造解析を行ない, つぎのような有意な結果・知見を得た.
1) NH
4VO
3をNC
xを共存する雰囲気ガス中, 200℃付近で分解すると, (NH
4)
2 (VO
2)
2V
2O
x (x>7) , V
6O
13, V
2O
4・6V
2O
5・nH
2OといったV
4+とV
5+の混在すると考えられる化合物が得られ, この化合物は, NO
2系以外に対しては高い脱硝活性を示す.
2) いずれの酸化バナジウム系化合物 (上記化合物の他, V
2O
5, V
2O
4, V
2O
3) も入口組成がNO-NO
2共存系の場合は, 高い脱硝活性を示すが, NO系やNO
2系では, 低い脱硝活性を示し, この傾向はV
2O
5やV
2O
3についてとくにいちじるしい.
3) 上記活性化合物の温度安定性は250℃付近までで, それ以上になると, V
2O
5への酸化が進行し, 活性はいちじるしく低下していく.
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