目的; 本研究は, 都市下水処理場より発生する汚泥中のセルロースに着目し, その糖化, 発酵を効率的に行なうことで, 有価資源のアルコールとして回収するための基礎実験に関して論じたものである.
成果; セルロース分解酵素セルラーゼで汚泥を糖化し, かつ酵母により, エタノール発酵した.濃度2~5%の都市下水処理場生汚泥を121℃, 5分間前処理したものを, セルラーゼで加水分解し, 生成還元糖に関するpHの最適値は5程度であった.また, 酵素を配合して反応させ, β-glucosidase/CMCase比が低くなると固形性炭素の溶解率が大きくなり, 逆に同比が高くなると生成還元糖濃度が最大であった.さらに蛋白質分解酵素で前処理を施すと糖化速度が上昇した.生成還元糖濃度は約0.2%で, これより発酵したエタノールは約0.1%であった.
セルラーゼ産生菌
Trichoderma virideをセルロース培地中で培養し, 5~6unit/mlのCMCaseと, 2.5unit/ml程度のβ-glucosidaseを菌体外で測定できた.
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