本報では, 第1報の結果の解析から最も妥当と考えられる発生原単位を算定した.すなわち, 粉塵, タール, 全炭化水素 (THC: Total Hydro Carbon) , 二酸化炭素 (CO
2) , 一酸化炭素 (CO) および臭気濃度の計測結果と, 焼却煙量および気象因子等の観測結果から, 周辺環境の濃度予測に不可欠な発生原単位を推定した.
本調査によって得られた結果を要約すると次の通りである.
1) 伐採樹木の焼却によって発生する焼却煙量は, 1.2~4.1Nm
3/secであった.
2) 発生原単位の推定に適用するプルームモデルの各パラメータのうち, 有効煙突高は風速と指数関数で回帰され, また煙流幅 (σ
y, σ
z, ) は風下距離Xと対数関数で回帰された.
3) HV捕集量からプルームモデルを用いて推定した粉塵の発生原単位は, 伐採樹木の単位重量, 単位時間当り0.56~10.3mg/sec・kgで, 単位容積当りに換算すると36~800mg/sec・m
3である.
4) U字管に捕集されたタール量から推定したタールの発生原単位は, 伐採樹木の単位重量, 単位時間当り2.8~4.7mg/sec・kgで, 単位容積当りに換算すると93~320mg/sec・m
3である.また, HV捕集量からRUN4および5について推定した値も同オーダを示した.
5) THC濃度および焼却煙量から推定したTHCの発生原単位は, 伐採樹木の単位重量, 単位時間当り0.56~3.4mg/sec・kgで, 単位容積当りに換算すると19~270mg/sec・m
3である.
6) CO
2濃度および焼却煙量から推定したCO
2の発生原単位は, 伐採樹木の単位重量, 単位時間当り1.2~3.1g/sec・kgで, 単位容積当りに換算すると39~190g/sec・m
3である.
7) CO濃度および焼却煙量から推定したCOの発生原単位は, 伐採樹木の単位重量, 単位時間当り1.0~1.8g/sec・kgで, 単位容積当りに換算すると69~100g/sec・m
3である.
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