環境技術
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42 巻, 4 号
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研究論文
  • ─C重油を用いたスクラバ溶媒による特性─
    高山 敦好, 藤田 浩嗣, 原野 亘
    2013 年 42 巻 4 号 p. 228-234
    発行日: 2013/04/20
    公開日: 2013/05/28
    ジャーナル フリー
     IMOの船舶規制は,1次規制および2次規制が施行され,3次規制が 2016年に予定されている.規制海域はもちろんのこと,一般海域においても厳しい規制が開始される.その中,船舶の低減技術は数多く報告されているが,多くの問題に陥っている.今後の規制強化に対応するには,複数の後処理装置を搭載する必要があるが,エンジン背圧の上昇は燃費の悪化を招く.本研究は,コロナ放電を用いた排ガス充電器と静電水スクラバを用い,スクラバの溶媒を変化させ,排ガス中の汚染物質の同時低減を試みた.スクラバの溶媒には,水道水と海水の2種類を用いた.PMの捕集と同時に化学反応を誘発し,NOx, CO2の低減を試みた.エンジンは4サイクルエンジンで,使用燃料油はC重油である.実験結果は,NOxは約 40%, CO2は約 80%,PMは約 97%の低減が確認できた.スクラバの溶媒に海水を用いることは,中和反応が起こりスクラバにより生成する廃水が無害化できた可能性がある.
  • ─処理特性と微生物学的なメカニズムの解析─
    外ノ岡 和政, 海老澤 拓哉, 長野 晃弘, 大西 章博, 藤本 尚志, 鈴木 昌治
    2013 年 42 巻 4 号 p. 235-244
    発行日: 2013/04/20
    公開日: 2013/05/28
    ジャーナル フリー
     小規模分散的に発生する食品廃棄物を効率的に処理できる技術の開発が求められている.本研究では,可溶化処理と二相式メタン発酵法を組み合わせた小規模なメタン発酵システム(処理量100 ㎏/ 日)を開発した.厨芥や残飯など実廃棄物を用いて約7ヶ月間連続運転し,処理特性と微生物群集構造を評価した.本システムは生ごみ投入量150 ㎏/ 日まで安定処理が可能であった.COD 除去率は94%以上を維持し,処理液は下水排除基準を満たした.処理液の二次処理施設が不要であるためシステム全体の小型化が見込めた.また,投入された生ごみは,可溶化処理槽で乳酸菌によって可溶化されるとともに乳酸に変換され,酸生成槽では乳酸資化性菌によって乳酸消費と酢酸や酪酸の生成が行われていることが示唆された.メタン発酵槽では特性が未解明なRice Cluster III に近縁な古細菌群がメタン生成に関与している可能性が示唆された.
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