IMOの船舶規制は,1次規制および2次規制が施行され,3次規制が 2016年に予定されている.規制海域はもちろんのこと,一般海域においても厳しい規制が開始される.その中,船舶の低減技術は数多く報告されているが,多くの問題に陥っている.今後の規制強化に対応するには,複数の後処理装置を搭載する必要があるが,エンジン背圧の上昇は燃費の悪化を招く.本研究は,コロナ放電を用いた排ガス充電器と静電水スクラバを用い,スクラバの溶媒を変化させ,排ガス中の汚染物質の同時低減を試みた.スクラバの溶媒には,水道水と海水の2種類を用いた.PMの捕集と同時に化学反応を誘発し,NOx, CO
2の低減を試みた.エンジンは4サイクルエンジンで,使用燃料油はC重油である.実験結果は,NOxは約 40%, CO
2は約 80%,PMは約 97%の低減が確認できた.スクラバの溶媒に海水を用いることは,中和反応が起こりスクラバにより生成する廃水が無害化できた可能性がある.
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