環境技術
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37 巻, 5 号
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研究論文
  • 小林 賢, 平木 隆年, 石田 廣史
    2008 年 37 巻 5 号 p. 332-339
    発行日: 2008/05/20
    公開日: 2009/06/02
    ジャーナル フリー
     オゾンは地球温暖化や有害紫外線の遮断と同様に,大気沈着物の酸性化に重要な働きをするが,地球の約70%を占める洋上における大気中オゾン特性は必ずしも十分に明らかではない.本報告では,海洋上表層大気中オゾン濃度の特性を明らかにするため,西部太平洋海域において,1993年から1998年の毎年8月と1998年の2月に日本とオーストラリア航路の海域において観測されたオゾン濃度データに基づいて解析を行った.
    海洋上表層大気中オゾン濃度には光化学反応の影響もなく大きな日変化は検出されなかった.オゾン濃度は8月の観測では,北緯30度では12ppbv,赤道では19ppbvであった.そして南半球でも増加傾向を維持し南緯30度で27ppbvであった.2月の観測では,8月の結果とは逆の傾向を示し,北緯30度では47ppbv,赤道では22ppbvであった.そして南半球でも減少傾向を維持し南緯20度では11ppbvであった.オゾン濃度の2月と8月との間の差は低緯度より高緯度の方が大きくまた,季節変動は南半球よりの北半球の方が大きかった.
    オゾンの起源と経路について調査するため,5日間のエアーマス後進型流跡線解析を行い,最高通過高度とオゾン濃度に正の比例関係が認められた.
  • -選択実験によるリサイクル行動評価と心理的影響-
    鈴木 芳幸, 小泉 國茂, 周 イ生
    2008 年 37 巻 5 号 p. 340-346
    発行日: 2008/05/20
    公開日: 2009/06/02
    ジャーナル フリー
     銅くずなどの資源廃棄物の中国輸出が急増し,グローバルなリサイクルが進行している.中国の高度経済成長による資源需要が原因であるが,豊富で安い人件費の出稼ぎ労働者を活用した手分解により再資源化率が高く,枯渇性資源の有効活用,出稼ぎ労働者への就労機会提供などの利点がある.しかし,日本の消費者は,自分たちが排出した資源廃棄物を中国に輸出することにある種の抵抗感を持っていると思われる.日本の消費者をアンケート対象として,資源廃棄物輸出への抵抗感を生みだす心理的影響因子は何かをパス解析により分析した結果,不法投棄のような不正処理や輸入国側の労働環境,生態系破壊への懸念が影響していることが明らかになった.抵抗感を定量化するために,廃冷蔵庫のリサイクルを国内方式と国外方式が選択できるものと仮定し,コンジョイント分析を用い,支払い意思額でリサイクル行動を評価した結果,消費者は国外リサイクル方式の方が-1,625円(通常のリサイクル費用4,830円の34%相当)の効用低下を示す結果となった.
研究ノート
調査報告
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