本研究はアンケート調査等により,精穀・製粉業のゼロエミッション活動の特性を把握することを目的とした.本研究の結論は,以下の2点に要約できる.
(1)ゼロエミッション活動の取り組みは,工場間の共通点は微少で工場ごとに異なっていた.主な困難点として「処理費用が高い」「手間がかかる」「人手が足りない」「再資源化業者の不在」「分別用スペースの問題」があげられ,阻害要因になっていた.また再資源化業者からの情報の直接入手やネット情報の利用などの会社外部からの情報入手が,あまり普及していなかったことも阻害要因であった.
(2)廃棄物の分類数と再資源化の種類数が工場ごとにほぼ異なっており,工場個別型のゼロエミッション活動を行っていた.また小麦が唯一の原料であったが,包装類廃棄物等が排出されており,再資源化の種類数は廃棄物の分類数より少なかった.未達成工場では10種類の廃棄物を再資源化できておらず,阻害要因になっていた.
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