メタノール廃水の嫌気性処理に関わる物質変換特性および微生物群集構造の変化を把握することを目的とし,HRT2日,HRT5日,HRT15日の完全混合型(CSTR)リアクターを用いた室内連続実験を行った.各HRTではVFAは蓄積せず,COD分解率が90%~92%の範囲にあった.古細菌群集構造についてクローン解析を行った結果,HRT2日と HRT15日のいずれの条件においても
Methanosarcinales目の古細菌が優勢だった.また FISH解析の結果から,HRT2日と HRT5日両方のリアクターで連球状の古細菌が優勢であり,それらは
Methanosarcinales目であることがわかった.しかし,それらの連球菌は
Methanosarcina標的のプローブでは検出されなかった.クローン解析の結果と合わせて考えると連球菌は
Methanomethyrovoransであると考えられる.
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