メタン発酵の効率化をはかるためにメタン細菌を固定化し, 連続発酵を試みた.固定化担体として3種の光架橋性樹脂を用い, また3つの違った形式のリアクターを用いて酢酸からのメタン生産効率を比較した.3種の光架橋性樹脂を検討した結果, ENT-3400 (関西ペイント製) が最もよい結果を示し, 遊離菌体に比べ10倍以上も高いメタン生産速度を示した.また酸素に対する耐性も固定化によって増加した.完全混合型, ドラフトチューブ付流動層型および充填層型リアクターに固定化メタン細菌を充填し連続発酵を行ったところ, 酢酸負荷速度が3mol/ (l-gel・d) までは充填層型リアクターが最も高いメタン生産速度と酢酸除去率を示した.さらに, 酢酸の基質阻害とpHの変化を考慮したモデル式により, これらのリアクターにおけるメタン生成をシミュレートすることができた.
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