大気中の窒素酸化物除去法として湿式吸収法による吸収液を検討したところ現在まで非常に多くの種類があること, 研究の範囲がNO
xの数十ppm以上について行われていることが明らかとなった.本研究では過酸化ナトリウム (Na
2O
2) 溶液が1ppm以下の低濃度のNO, NO
2に対して良く吸収することを確め, 吸収液中のNa
2O
2の濃度, NO
2濃度による吸収率の変化, CO
2の吸収によるNO
2吸収率の低下について基礎実験を行った.その結果Na
2O
2を2%以上含む吸収液はNO
2を90%以上吸収除去し, NO
2濃度による吸収率の変化はほとんど認められなかった.またCO
2によるNO
2の吸収率の低下は吸収液中のNa
2O
2の加水分解により生ずるOH
-の1/2が消費されるまで認められなかった.なお従来の研究ではKMnO
4のアルカリ溶液を使用する方法が最も代表的なものであるが, 重金属を含むのでその廃液処理がやや繁雑であるが, それに比し本法の廃液処理は極めて容易であることも認められた.
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