目的: 琵琶湖南湖において, 1976年4月より1980年2月まで月1~3回の頻度でとられたデータに基づき, 南湖への河川負荷量が, 湖内水質の変動が流入変動に比し, 比較的安定し, それが長期にわたる汚濁負荷の結果を示すものとの考えから, 南湖の物質収支モデルをたて, 河川負荷量の推定を試みた.
成果: 物質収支モデルは, 南湖を完全混合槽とみなし与条件として, 北湖からの流入, 降雨, 溶出, 沈降, 瀬田川, 疏水からの流出を考えた.パラメータとして, 沈降, 溶出速度をとり, COD, N, Pの底泥まわりの比を指標として推定した結果, T-CODは北湖からの流入と内部生産が多く, T-Nは北湖からの流入と河川負荷がほぼ同量あり, T-Pは河川負荷流入が卓越し, その制御の効果の小さくないことが推察された.
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