液体クロマトグラフによる大気浮遊粉じん中の多環芳香族炭化水素, 即ちベンゾ (a) ピレン (BaP) , ベンゾ (b) フルオランテン (BbF) , ベンゾ (k) フルオランテン (BkF) , ベンゾ (ghi) ペリレン (BghiP) の定量法について検討した.粉じん試料として, β線吸収法自動測定機で大気を1時間フィルター上に捕集したものを用いた.試料をベンゼン/エタノール (3/1) で抽出し, セップパックシリカカートリッジ (SP-S) でクリーンナップした後, HPLCで分析した.移動相にアセトニトリル/メタノール/水 (50/35/15) を用いることによって4種のPAHsとろ紙に起因する不純物ピークとの分離ができた.検出限界は, 注入量150μ
lの時, BaP31Pg/m
l, BbF78Pg/m
l, BkF43Pg/m
l, BghiP44Pg/m
lであった.標準試料 (NBS, No1647b) を用いて4種のPAHsを測定した結果, 分析正確度+1.3~-14%で定量できた.本法は, 大気を1時間毎に採取した時のBaP, BbF, BkF及びBghiPの測定に有用である.
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