水中の有機物量を表す指標がCOD からTOC へ移行しつつある中,COD とTOC の関係性を整理しておくことが望まれている.本研究では,農業用排水別に両者の回帰式を整理するとともに,共分散分析を用いて営農状況が当該関係性へ及ぼす影響を把握することを目的とした.その結果,用排水を統合して一義的な関係式(TOC=0.62×COD+0.40)で表現できる場合があることが判った.また,水質や営農状況によって両者の関係性が変動することも確認された.
阿蘇山は2016年10月に爆発的な噴火を引き起こし,熊本県や大分県などで火山灰の降灰が確認された.本研究の目的は,火山灰の溶出実験の結果などから火山灰の降灰量による河川の水質に与える影響について調査することである.対象とした水質項目はF-,SO42-,pHとした.結果として,高い濃度が検出された地点の特徴は,降灰量が100 g/㎡を超えたこと,または,高い濃度が検出された地点の上流域で降灰量が 100 g/㎡を超えたことであった.しかしながら,河川の流下過程でダムがある場合や降灰量が100 g/㎡を超えた地点から距離が遠い場合は,その下流で高い濃度が検出されなかった.この水質変化は,1ヵ月後には平年の濃度まで減少したことから,一時的であることが分かった.