以下の3つの評釈は, 平成10年10月に公表された神戸市『空港島埋立事業に係る環境影響評価書』 (神戸空港埋立評価書) について行われたものである.本評価書は, 「運輸省所管の大規模事業に係る環境影響評価の実施について」 (昭和60年4月26日付け運環第25号運輸大臣通知) 及び「神戸市環境影響評価等に関する条例」 (平成9年10月) に基づき実施され, 作成された.また, 評釈にあたって、神戸市条例に基づき作成された実施計画書等を参照した.
神戸空港の設置に係る事業は, 飛行場の設置事業と公有水面埋立事業の2種類から成り立っている.飛行場設置に係る環境影響評価は, 平成7年10月から平成8年5月にかけて行われ, その結果に基づき, 平成9年2月に飛行場の設置許可がなされている.また, 飛行場設置に係る環境影響評価手続と並行して港湾計画の変更に伴う環境影響評価が平成7年11月から平成8年5月にかけて行われている.このアセスに基づき, 港湾計画の変更が平成9年3月に承認されている.
今回の評釈の対象としたのは, 飛行場の設置許可と港湾計画変更の承認が行われた後に開始された空港島の埋立事業についての環境影響評価である.この埋立アセスは, 平成10年1月から同年10月にかけて実施された.このアセスを受けて, 平成10年10月に, 公有水面の埋立免許の出願がなされ, 平成11年6月に運輸大臣によって埋立が認可されている.同年9月から工事に着手されている.
本事業の事業位置は, 神戸市ポートアイランドの南3kmの海上であり, 空港島の面積は272haである.2500mの滑走路が1本設置され, 平成17年度に開港予定である.
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