本研究は脱窒速度と底土のCOD・酸化還元電位 (ORP) の関係を求めるために多毛類を導入した干潟底土と導入していない底土を充填したPVCカラムを用いて実験をおこなった.供試底土のCODは3.7と1.5mg/g, 脱窒速度は24.2, 21.2N/m
2/day, 酸化還元電位は-202, 172mVであった.15日後, 多毛類を導入したコアの表層 (0~2cm) の脱窒速度は酸化還元電位が14と21mVに増加したにもかかわらず52.4, 29.8mg N/m
2/dayに増加した.30日後, 酸化還元電位はプラスとなり, 脱窒速度はコントロールの67%に減少した.これらの結果から, 脱窒速度に及ぼす生物撹乱 (バイオターベション) の効果は底土のCODや酸化還元電位に影響されることが明らかとなった.
抄録全体を表示