わが国の下水処理場における非イオン界面活性剤ノニルフェノールポリエトキシレート (NPnEOs) の挙動を解明することを目的として, 国内40箇所の下水処理場内におけるNPnEOs, およびその代謝産物, 並びにハロゲン化物 (これらを全て併せてNPE-cと称す) の分布調査を行った.その結果, 40箇所全ての下水処理場内へのNPnEOsの流入が認められ, 処理過程を経て生じた代謝産物やハロゲン化物が水環境中に放出されていることが明らかとなった.また, 下水処理場内に流入するNPnEOsは, 処理過程を経ることによりNPE-cとして平均で約70%が除去されており, 除去の大部分が生物処理によるものであることが明らかにされた.さらに, 標準活性汚泥法とは別にAO法/A2O法を採用している下水処理場の方が除去効率が高まることが示唆された.また, 化学酸化, 急速濾過などの高度処理法を導入している下水処理場においても, 特に高い除去率が示された.
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