上賀茂の社家町は今では全国的にもめずらしく, 国の伝建地区として保存に力を入れている.しかし, 地元の人達は社家を見学したこともなく, その価値について必ずしも十分に認識していない.将来の社家町の環境保全を考える時, 子供達が社家町を知り, よい思い出を創ることが大切である.社家が吸い込み井戸や遣水など昔の水の循環利用形態を留めていること, 明神川が公共下水道の整備によってもまだ水質汚濁があることを目で見られることなどから, 地域の活性化を目指して社家と明神川に関する見学会を子供と保護者を対象にして行った.子供にも大人にも好評であった.将来に向けて, 地域に環境バンクの創設と社家の一般公開への基盤づくりの必要性について論じた.
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