宝塚市清掃センターでは, 1973年以来, し尿浄化槽汚泥を好気性消化処理方式 (無希釈好気性処理および活性汚泥法処理) により処理してきたが, この方式では, BOD, SS成分等は比較的容易に除去できるものの, COD, T-N除去には多くを期待できないという特徴があった.しかし, 好気性消化槽に続く沈殿槽からの汚泥返送量を増加すると, T-N除去に顕著な効果のあることが観察された.この報告では, し尿浄化槽汚泥中のT-NおよびCODを除去するための一処理方法として無希釈好気性処理施設に凝集沈殿施設を付設した処理方式の処理性能について, 1979年8月から1ケ年に亘り実験的に検討し次の知見を得た.
1.BOD-MLSS負荷率0.07kg-BOD/kg-MLSS, 日以下の条件では, BOD除去率硝化率はそれぞれ98%, 95%以上であった.
2.好気性消化槽での脱窒率は冬期を除き85%以上であった.
3.凝集分離設備の付設により処理水質は向上し, 無希釈放流水中のCOD, BODおよびPO
43-濃度は, それぞれ, 60mg/l, 10mg/l, 6mg/l名以下となった.
抄録全体を表示