電気集塵装置 (以下E.Pと略す) は, その基本原理は簡単であるが, 構造はかなり複雑で, その設備費もより簡単で効率の低い他の方式の集塵装置に比較して高いように思われるかも知れないが, 何千基というE.Pが実用に供されており, その応用分野が絶えず拡大している事実は, E.Pが他の集塵器に伍していかに優秀であるかを証明することが出来る.
近年において, ますますばい塵の排出規制が厳しくなるとき設備費のみではなく, E.Pが極わあて高い効率と, さらに電力消費量が少なく, 通風損失, 運転経費が徴少であることや, 寿命が長いことなどによる設備管理費の軽減にも留意すべきである.
E.Pの規模は処理すべきガス量によるばかりではなく, 集塵すべき物質の種類および必要とする集塵効率等によって決まり, また他の条件によっても多少は異なって来る.
しかしながら, どんなに小型のE.Pでも, 高電圧装置が必要であり, 大型のものより小型のもののほうが割高になることは避けられないと考えられる.
しかしどんな場合でも, ただ設備費の点だけからE.Pを考慮の対象外におくのは避けるべきで, 個々の場合について, 本当に経済的な設備を得る唯一の方法は, あらゆる関連の要素を充分検討した上で, 得られた資料を照合することである.
本章では, E.Pのこれらの構造や基本的な設計条件について解説し, E.Pを選定する場合の一助とされるよう希望する.
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