ノニオン界面活性剤を使用して糸状性細菌を溶菌することにより, 糸状性バルキングを解消することが可能である.しかし, 溶菌時に糸状性細菌由来の成分によってCOD上昇, SS増加など処理水質が一時悪化することがある.この処理水のCOD上昇, SS増加に糸状性細菌の緩やかな溶菌を繰り返す部分溶菌濃度処理方式と活性汚泥の一部を反応槽で処理する反応槽処理方式により対処した.どちらの方式でも処理水質の悪化は低減可能であった.しかし, 部分溶菌濃度処理方式では1回の処理におけるノニオン界面活性剤の添加濃度を低く設定して, 糸状性細菌の溶菌比率が1/4程度である場合には糸状性バルキングを十分に解消できなかった.それに対して反応槽処理方式ではノニオン界面活性剤をやや過剰に添加した場合でも処理水中のCODを上昇させることなく, 糸状性バルキングを解消することができた.
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