第1報 (本誌40頁) において, A液, B液, 1粉体で構成する中性無機改良材 (「3種型改良材」) を用いた泥水シールド発生土の改良土が個別指定の制度の条件をクリアできたこと, 改良土製造の品質管理法について述べた.本報では, 改良土の環境影響評価と改良した中性無機改良材 (「2種型改良材」) について述べる.改良土の環境影響評価を溶出水の水質試験と魚類毒性試験および改良土の植物生育阻害試験によって行った.その結果, (1) 3種型による改良土の溶出水の改良材を構成する成分の濃度は, 降水による10倍希釈が許容されるとすれば, pH, Na
+, Al
3+, EC, SiO
2, K
+は河川水の濃度以下になるが, Ca
2+, SO
42-, PO
43-はなお河川水の濃度より高いこと, (2) 改良土溶出水の魚類毒性は, 無希釈溶出水での急性毒性試験では, 改良材添加量が多い場合に局所的鰓障害が観られるが, 10倍希釈溶出水での亜急性毒性試験では異常は観られないこと, (3) 改良土の植物生育阻害性は, 改良材添加量が多い改良土の場合に発現するが添加量の少ない場合には対照区 (畑土) と差異は観られないこと, などが分かった.
このような結果を勘案して2種型改良材を開発して, これを用いた改良土の溶出水の水質試験を行った.その結果, 10倍希釈でPO
43-のみが河川水よりもわずかに高いものの, 改良材所要量は3種型改良材よりも少ない.したがって, 2種型改良材の環境への影響は3種型改良材に比較して大幅に改善されていると考えられる.
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