豆腐製造工程で生じ, バイオマスセルロース成分を含む, おから懸濁液のメタン発酵を500mlの反応器を用いて反復回分操作によって行った。未処理のおから, 超音波を照射したおから, およびNaOHを加えて煮沸したおからの懸濁液を基質として用いて, おからの前処理のメタン生産効率への影響を検討した。
超音波照射あるいはアルカリ煮沸による前処理は, おからに含まれる溶解性たんぱく成分の溶出を著しく促進した。超音波照射によるおからの前処理はメタン収率, COD除去率の向上にかなり有効であった。超音波処理おからでは, 理論メタン収率に対して最大93%の効率でメタン化が達成された。NaOHを加えての煮沸処理は, しかしながら, メタン生成効率の向上には役立たなかった。
未処理のおからを用いるメタン発酵でCOD除去率を約90%以上に保つ条件で, 2.5g-COD・l
-1・d
-1までの基質負荷での操作が可能であった。未処理のおからでは, おからの理論メタン収率に対して最大85%の効率でのメタン化が達成された。
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