環境技術
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38 巻, 11 号
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研究論文
  • 龍田 典子, 横堀 加奈里, 井上 綾, 案浦 謙二, 手嶋 功, 上野 大介, 井上 興一, 染谷 孝
    2009 年 38 巻 11 号 p. 801-809
    発行日: 2009/11/20
    公開日: 2011/07/13
    ジャーナル フリー
    飲食店や食品工場の排水には,多量の油脂分が含まれていることがあり,下流側の下水管の閉塞防止や下水道への汚濁負荷低減を図るためにグリストラップの設置が義務づけられている.本研究では,グリストラップから新規に油脂分解菌の分離を行い,311株の分離細菌株から油脂分解能,タンパク質分解能およびデンプン分解能の高い分離株Aeromonas sp.KHUを選抜した.本菌の培養および保存性に適した培地を選定した結果,この培地中で安定した菌数を30℃で約5週間維持できることを培養法および蛍光染色法により確認した.本菌を厨房排水処理に適用する目的で,その油脂分解性を実験室で測定した結果,厨房排水に含有する油脂分(n-ヘキサン抽出物)濃度の高低にかかわらず15~48時間で86~91%の高い分解率を示した(油脂分解速度:20~46mg/L/hr).さらに現場適用試験の結果,300Lのグリストラップに本菌を毎晩100mL接種することにより油脂分が90%以下にまで分解され,約5週間の試験期間中,油脂分濃度を40mg/L以下に維持した.
  • 鳥山 成一, 紙谷 泰史, 妻木 和敬, 竹村 智春, 中室 奈緒美, 近藤 隆之, 木戸 瑞佳, 中谷 訓幸
    2009 年 38 巻 11 号 p. 810-818
    発行日: 2009/11/20
    公開日: 2011/07/13
    ジャーナル フリー
     銅板及び黄銅板について,黄砂(標準黄砂)による溶出イオンの挙動を解明する目的で人工腐食曝露試験を3種の条件( (1)超純水霧+ガス,(2)超純水霧+ガス+エアロゾル,(3)人工酸性霧+ガス+エアロゾル)で行い,各イオン成分の溶出について検討した.
     銅板と黄銅板ともに人工酸性霧の無い条件では,黄砂噴霧有りは黄砂無しに比べてCu,Znともに腐食溶出量の減少が見られた.これは腐食の酸化還元電位が寄与していると考えられる.条件によっては,黄砂による溶出抑制傾向が見られた.
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