植物学雑誌
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75 巻, 885 号
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  • 高橋 憲子, 山田 妙子, 師尾 武子, 八巻 敏雄
    1962 年 75 巻 885 号 p. 83-91
    発行日: 1962年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    ジベレリンの暗発芽誘起作用に対する数種の塩類の影響を10か月ないし29か月間貯蔵したタバコ種子 (ブライトエロー種) を用い, pH を調整した発芽床で調べた. ジベレリンは, それ単独では非常に低い発芽率を示すような低濃度のものを用いた. HCl-KOH, HCl-NH4OH, HNO3-KOH という組合わせfr pH を調整した場合には, pH2.0~3.0 と 4.7~5.5 で発芽率が大となる. しかも種子の貯蔵期間の長いものほど前者の pH 域での最適 pH が酸性に傾き, それとともに発芽率が大となる. また後者の pH域では発芽率が次第に低下する. H3PO4-KOHで pH を調整したときは, pH2.0~2.7, 4.0 付近, 5.0 付近の3つの pH 域で発芽がよくなる. しかも第一の pH 域では貯蔵期間の増大とともに発芽率が大となり, 第二•第三主の pH 域では発芽が低下するようにみえる. H3PO4-NH4OH を用いたときはpH 2.0, 3.0付近, 4.0付近, 5.0 付近で発芽率が大となり, 第一•第二の pH 域では貯蔵期間の増大とともに発芽率が大となり, 第三•第四の pH 域ではその逆となる.
    これらの現象からタバコ種子の発芽を問題とするときには, 種子の生理的令と pH とを重視する必要があり, また生理令の進行とともに少なくとも pH 5 付近でおこるジベレリンの暗発芽透起作用する物質の減少が考えられる.
  • 小川 幸持
    1962 年 75 巻 885 号 p. 92-101
    発行日: 1962年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    1. アサガオの子葉は発芽後から播種後5日目までは多量の拡散型生長素を含み, その後令が進むにつれてその含量は減少する.
    2. 遊離型および結合型生長素は, 膨潤種子と播種後2日目の子葉に多く含まれているが, その後漸次減少する. 遊離型生長素は7日目にはほとんど認められないが, 結合型生長素は5日目以後からはほぼ一定となる.
    3. 日長感応性は播種後2日目に発芽してから5日目まではいちじるしく上昇し, その後は令が進むにつれて漸次低下する.
    4. 短日処理は生長素含量にいちじるしい影響をおよぼさない.
    5. インドール酢酸による開花は, 暗期直前から暗期開始後6時間目までの処理の場合に最もいちじるしく, その影響は令の進んだ, すなわち生長素含量の比較的少ない植物ほどいちじるしい.
    6. 以上のことから子葉の生長素含量と短日処理による開花反応との間には明らかな正または負の関連が認められない.
  • 村上 浩
    1962 年 75 巻 885 号 p. 102-106
    発行日: 1962年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    イネ初生根の伸長におよぼすジベレリン A の作用を水耕法によって研究した. ジベレリン A は, 光の有無に関係なく, イネの初生根の伸長を約 10-15% 促進する. このジベレリン A による伸長促進は乾物重の増加をともなわない. オーキシンの一種である 2,4-D による黄化イネの初生根の約 50% 伸長阻害は, ジベレリン A3 により回復したが, ジニトロフェノール, クマリン, カイネチンによる同程度の伸長阻害は, ジベレリン A3 により回復しなかった.
  • 原 襄
    1962 年 75 巻 885 号 p. 107-113
    発行日: 1962年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    オニシバリの葉の脈系の発達過程は, ツツジ科とその近縁植物について筆者8)が観察したものと本質的な差はない.
    脈端 (vein ending) の発達過程については Pray3) と Slade6,7) が異なった見解を発表しているが, オニシバリのやや早熟の葉において, いずれの見解にも適合しない発達過程がみられる. すなわち, 一度前形成層細胞の形をとった細胞の一部のものが葉脈に分化しないで葉肉細胞になることによって脈端が生じることが観察される. 正常な発達をする葉においては, この過程がかならずしも明らかには観察されないが, おそらく同じ過程が存在すると考えられる.
  • 川松 重信
    1962 年 75 巻 885 号 p. 114
    発行日: 1962年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
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